2015年3月25日水曜日

海外協会 「海外報」279号を発行

愛媛県海外協会は325日、機関誌「海外報」の第279号=写真=を会員らに発送しました。
 今回の号(8ページ)は、海外協会の年度末の恒例事業である4地区会の開催とその講話要旨、県職員によるペルー愛媛県人会訪問記、県高校国際教育生徒研究発表会の留学生発表作品、曽祖父らの母県愛媛で9カ月間の研修生活を過ごしたブラジルとアルゼンチンからの県海外技術研修員3人の帰国前インタビュー、在伯愛媛県人会の会長交代などを掲載しました。
 在外の皆さんに送っている愛媛の写真は、時宗の開祖・一遍上人の誕生地として有名な宝厳寺(松山市道後湯月町)の山門前のツツジの満開風景を同封しました。

2015年3月21日土曜日

ペルー愛媛県人会長が「ふるさと」訪問

 愛媛県国際交流協会が主催する「えひめ海外移住者交流促進事業」で、ペルー愛媛県人会会長の吉岡ファン・カルロスさん(54)316日、夫人のルース・エリザベスさん(52)を伴って初来日し、愛媛を訪れた。愛媛県海外協会は国際交流協会に協力して1718日の両日、吉岡さん夫妻を県内の観光地めぐりに案内した。
 同事業は愛媛県出身の海外移住者とその親族の里帰りを支援するもので、国際交流協会が渡航費と約1週間の県内滞在費を支援。2001年度にブラジルから1人、08年度にアルゼンチンから3人、09年度にブラジルから3人、11年度にパラグアイから3人を受け入れている。
 吉岡さんは、父方の曽祖父と祖父が松山市出身で、3世。首都リマ在住の実業家で、132月からペルー愛媛県人会の会長を務めている。長男のファン・アレハンドロさん(30)12年度に県海外技術研修員として来県し、9カ月間、水産加工管理と食品加工・分析を学んだ。
 海外協会の案内で、吉岡さん夫妻は17日、今治市の瀬戸内しまなみ海道と松山市の四国霊場51番札所石手寺を訪ねた。今治市では来島海峡急流観潮船を体験、糸山公園から来島海峡大橋の迫力と多島美を堪能した。18日には松山市内を観光し、松山城と道後温泉を訪問。夫妻は「天守閣など日本の城は非常に美しい」と感心。道後温泉本館では皇室専用の「又新殿」を興味深げに見学していた。
 母県に滞在中、夫妻は親戚の案内で先祖の墓参りをしたほか、県庁を訪問し、上甲俊史副知事と面談した。
 吉岡さんは「自分は3世だが、ペルーに移住した先人たちがいろいろな苦労を乗り越えてきたことを愛媛の皆さんにもご理解いただけるとありがたい。愛媛滞在中は、皆さんに大変お世話になった」と感謝していた。
春の伊予路を楽しんだ吉岡さん夫妻は21日朝、広島へ移動。京都や東京を観光し、29日に離日する。
 
【写真】㊤来島海峡急流観潮船を楽しむ吉岡さん夫妻㊦道後温泉本館で「坊っちゃんの間」を見学する吉岡さん夫妻

2015年3月19日木曜日

県海外技術研修員3人が県庁で修了式

ブラジルとアルゼンチンから来ていた愛媛県の2014年度海外技術研修員3人が母県での9カ月間の研修生活を終え、318日、県庁で終了式が行われた。
 南米愛媛県人会の会員の子弟などを対象に1977年度から受け入れており、これまでに計254人が来県した。本年度は3人が昨年624日に来県し、8月下旬まで松山市の県国際交流センターで日本語や日本での生活など基礎研修を受けた後、91日から同市内の研修協力機関で専門分野の実務研修を実施。梶原フェルナンドよしひろさん(31)=ブラジル・サンパウロ=がセーラー広告愛媛本社でグラフィックデザイン、羅・東夏済メイリさん(24)=ブラジル・サンパウロ=がエス・ピー・シーでグラフィックデザイン、仲地マリア・フロレンシアさん(27)=アルゼンチン・ブエノスアイレス=が新企画設計で建築・設計を学んだ。
 修了式では、中村時広知事が3人に終了証書を授与し、記念品の今治タオルを贈呈。「帰国後は、それぞれの国で愛媛県人会の活動にも取り組み、これからの人生に研修成果を生かしてほしい」と激励した。
 これに対し、3人はそれぞれの研修生活や抱負などを日本語で報告した。梶原さんは「光陰矢の如し、9カ月はアッという間だったが、いろいろなデザインを学べた。昨年8月にはルーツの明浜町へ行き、先祖の墓参りができ、胸がいっぱいになった。丁度その時、雨が降って来た。まるで祖母たちの嬉し涙のように思えた。ブラジルへ帰ったら、愛媛の親善大使としてしまなみ海道の素晴らしさもみんなに伝えたい。これからも一期一会を大切にしたい」と振り返り、「自分のルーツと愛媛県について知ろう」と在伯愛媛県人会員らに呼び掛ける自作のポスターを中村知事にプレゼントした。
 羅東さんは「最初は日本の会社のシステムに慣れておらず、戸惑いもあったが、会社の皆さんにいろいろなことを教えていただいた。とても優しく、感謝している。無事に研修が出来たのは、いろいろな方が支えてくださったおかげ」と流ちょうな日本語で感謝。
 仲地さんは「研修先では、皆さんに建築のことを教えていただき、いろいろな現場を見学させてもらった。帰国後は研修経験を生かしたい。私は研修を通じ、自分の夢に一歩近づけた。愛媛県民に心から感謝しています」と述べた。
3人は329日午前、松山空港を出発、帰国する。

【写真】中村時広知事(右)から研修の終了証書を授与されるブラジルとアルゼンチンからの県海外技術研修員3

2015年2月24日火曜日

在伯愛媛県人会 新会長に中矢伝氏

 ブラジルの在伯愛媛県人会は222日、サンパウロの同県人会交流センターで2015年の総会を開き、約80人が出席した。任期満了に伴う役員改選で西村定栄会長(79)=写真左=が退任し、新会長に中矢伝氏(69)=写真右=を選出した。同県人会の会長はこれまで1世が務めてきたが、62年の歴史で初の2世会長が誕生した。
 西村氏は宇和島市出身。19972月から8年間、20132月から2年間の通算10年にわたって会長を務めた。この間、愛媛県海外協会と在伯愛媛県人会が97年から実施している日伯交換研修生派遣事業をスタートさせたのをはじめ、03年の県人会創立50周年記念式典と13年の県人会創立60周年記念式典を挙行した。西村氏は名誉会長に就任。「これからも出来る限り、県人会活動のお手伝いをしたい」と話している。
中矢氏は、曽祖父と祖父、父親が松山市出身で1932年にブラジルへ移住。サンパウロで保険会社を経営しており、県人会では副会長や会計の役職を務めてきた。
事業計画では、10月に日伯交換研修生派遣事業で第8期研修生を愛媛に派遣する。

2015年2月16日月曜日

愛媛大で外国人留学生歓送迎会

 愛媛大学学生国際交流協力事業会(AINECS、会長・柳澤康信学長)主催の外国人留学生歓送迎会が213日夜、松山市文京町の同大学であった。昨年秋の新入生の歓迎会と今春の卒業・終了予定者の送別会として開かれ、学内外から約120人が出席した。
 AINECSは愛媛大と外国の大学との学生交流を推進し、外国人留学生を支援することを目的に1982年に設立。大学内外の個人や愛媛県海外協会など団体が会員になっている。
 AINECSによると、愛媛大は22日現在、26カ国の109大学、110研究機関と交流協定を締結し、338人の留学生を受け入れている。うち昨年秋の新入生は20カ国78人、今春の卒業・終了予定者は17カ国104人。
 歓送迎会は大学会館食堂で開かれ、中国からの男女留学生が司会。柳澤会長が「帰国する人には、愛媛大学で培った絆が世界をつなぐグローバルネットワークに役立つことを期待する」と開会あいさつ。乾杯の後、立食パーティーで歓談した。
出席した留学生らは整列して一人ひとり自己紹介し、感謝の言葉などを述べた。留学生によるアトラクションでは、ベトナムの学生が朗々と自国の歌を、フィリピンの学生が伝統的な踊りを披露。最後に出席者全員でビンゴゲームを楽しんだ。 

【写真】歓送迎会で、整列して自己紹介する留学生ら

2015年2月13日金曜日

海外協会 八幡浜、宇和島でも地区会

 愛媛県海外協会は210日、八幡浜市船場通の浜味館あたご船場通り店で、平成26年度の八幡浜地区会を開いた。元JICAシニア海外ボランティアの川口眞治さん(67)=松山市在住=が「素顔のアルゼンチン~日系社会と観光」と題して講話し、12人が出席した。17日にも宇和島市錦町の宇和島自動車会館で、川口さんを講師に迎えて同内容の宇和島地区会を開く。
 川口さんは長年旅行会社に勤務した経験を生かし、退職後はJICAシニア海外ボランティア(職種・観光業)を志願。中米のグアテマラで活動したほか、20131月から1年間、アルゼンチンの最北端のフフイ州でエコツーリズムの開発・指導に従事した。
 川口さんはプロジェクターを使いながら、任地での活動内容をはじめ、厳しい治安状況、日常生活、郷土料理など等身大のアルゼンチンを紹介した。日系人約32000人が暮らす同国の日系社会について「日系人は日本文化の継承に熱心で、激動の社会環境の中で明るく頑張っている。アルゼンチンはまだ、豊かな国土を活かすだけの技術と人材が育成されていない。遠く離れたアルゼンチンと日本を結び、両国の発展のために活躍できるのが日系人だ」と力説。日系の人々が懸け橋となってくれることを期待した。

 【写真】㊤アルゼンチンをテーマに開かれた八幡浜地区会㊦「日本の人以上に日系人は日本文化の継承に熱心」と語る川口眞治さん

2015年2月9日月曜日

海外協会が4地区会 今治から開始

愛媛県海外協会の平成26年度地区会が25日、今治地区を皮切りに始まった。翌6日には西条地区会を開催。217日までの日程で八幡浜地区、宇和島地区の計4地区で開く。
 今治地区会は今治市旭町2丁目の今治国際ホテルで開催し、12人が出席。西条地区会は新居浜市前田町のリーロイヤルホテル新居浜で13人が出席して開かれた。両会場ともプロデューサーの金子明さん(56)=松山市出身=が「映画『陽光桜』は世界を目指す」の演題で講話し、愛媛から世界に発信する感動秘話の映画化について話した。
 映画は高橋玄監督の作品で、四半世紀以上に及ぶ苦難の末、平和のシンボルとしてサクラの新品種「陽光」を誕生させた東温市の故高岡正明さんをモデルにしたもの。3月下旬から砥部町や東温市、西条市など県内で撮影を開始、戦後70年の今夏に全国公開し、国際映画祭にも出品する予定。
 金子さんは、陽光と命名されているサクラや、映画の内容と配役、プロデューサーという職業やボランティア活動に取り組んでいる自分自身について説明。「まだ十分には知られていない陽光桜と高岡さんの遺志を全国へ知らせたい。映画は大人も子どもも分かりやすい作品。サポーター制度を採用しており、愛媛の皆さんと一緒に作りたい」と抱負を語った。
八幡浜地区会は10日、宇和島地区会は17日、アルゼンチンの日系社会と観光をテーマに開く。 

【写真】㊤映画「陽光桜」をテーマに開いた今治地区会㊦今治地区会で講話する金子明さん

2015年1月9日金曜日

海外協会 2月に4地区会を開催

 愛媛県海外協会は2月、西条、今治、八幡浜、宇和島の4地区で年度末恒例事業の地区会をそれぞれ開く。19日までに、各地区の会員に案内文を発送した。
 今年は戦後70年。四半世紀以上に及ぶ苦難の末、平和のシンボルとしてサクラの新品種「陽光」を誕生させた東温市の故高岡正明さんをモデルにした映画「陽光桜」(高橋玄監督)が製作されることになり、3月から県内で撮影が始まる。今夏に全国公開し、国際映画祭にも出品される予定。そこで西条地区会と今治地区会では、プロデューサーの金子明さん(松山市出身)に講師をお願いし、愛媛から世界に発信する感動秘話の映画化について話を聞くことにした。
 八幡浜地区会と宇和島地区会は、近年世界の注目を集めている南米、特に2年後の2017年に愛媛県人会が創立60周年を迎えるアルゼンチンに着目。同国への理解を深めようと、長年旅行会社に勤務し、スペイン語にも堪能で、JICAシニア海外ボランティア(職種・観光業)として1年前まで同国に赴任経験がある川口眞治さん(松山市在住)からアルゼンチンの観光の現状や日系社会について話を聞くことにした。
 各地区会の開催日と会場、演題などは次の通り。開会時間はいずれも正午から。

≪今治地区会≫
【開催日】25日(木曜日)
【会場】今治国際ホテル(今治市旭町2丁目3-4
≪西条地区会≫
【開催日】26日(金曜日)
【会場】リーガロイヤルホテル新居浜(新居浜市前田町6-9
【講師】プロデューサー 金子明さん
【演題】映画「陽光桜」は世界を目指す
【講師横顔】かねこ・あきら 19585月松山市生まれ。愛光高校、愛媛大学を卒業後、オーストラリアに留学。独立映画プロダクション幻燈社で映画製作を学び、国際配給映画「ロビンソンの庭」(1987年、山本政志監督)の製作デスクを経て、映画、TBS、NHKの番組を手掛ける。1992年高橋玄監督の劇場映画デビュー作「心臓抜き」を製作、プロデュース。現在、NHK教育番組を中心に多数のテレビ番組、ラジオ番組、ドキュメンタリーのプロデューサー、ディレクターを務める。

≪八幡浜地区会≫
【開催日】210日(火曜日)
【会場】浜味館あたご船場通り店(八幡浜市船場通379-1
≪宇和島地区会≫
【開催日】217日(火曜日)
【会場】宇和島自動車会館(宇和島市錦町3-22
【講師】元JICAシニア海外ボランティア 川口眞治さん
【演題】素顔のアルゼンチン~日系社会と観光
【講師横顔】かわぐち・しんじ 194712月松山市生まれ。新田高校、神奈川大学外国語学部スペイン語学科を卒業。東京と松山市の旅行会社に約35年間勤務。退職後の20083月から2年間、JICAシニア海外ボランティア(職種・観光業)として中米のグアテマラでコミュニティーツアーを改善指導。20131月から1年間、アルゼンチンでエコツーリズムの開発・指導に従事。現在はボランティアの愛媛SGGクラブ(善意通訳クラブ)と趣味(テニス、料理、スペイン語)の毎日。

2015年1月5日月曜日

海外協会 「海外報」278号を発行

 愛媛県海外協会は15日、機関誌「海外報」の第278号=写真=を会員らに発送しました。
 今回の号(8ページ)は、中山紘治郎会長の年頭あいさつをはじめ、海外協会の主要事業である在伯愛媛県人会との日伯交換研修生派遣事業による第8期ブラジル派遣研修生の帰国報告、愛媛県職員による南加愛媛県人会訪問記、西村定栄在伯愛媛県人会長が創立60周年記念式典慶祝訪問団への答礼で来県した話題などを掲載しました。
 在外の皆さんに送っている愛媛の写真(手製絵はがき)は昨年1016日に繰り広げられた西条祭りのクライマックス、加茂川での「川入り」を同封しました。

海外協会 中山紘治郎会長が年頭あいさつ

 明けましておめでとうございます。会員の皆様におかれましてはお健やかに新春をお迎えのこととお喜び申し上げます。平素より本協会の活動に一方ならぬご理解とご協力を賜り衷心より御礼申し上げます。
 さて、昨年は本協会設立30周年記念事業の大きな柱でありました記念誌「海を越えて ふるさとの絆」を3月に発刊し、会員と県内の図書館等の公共施設に贈呈致しました。記念誌には井関昌孝初代会長はもとより、30年にわたる関係者各位の本協会に寄せる熱い思いが収載されており、編年体でまとめられた活動記録と併せて誠に貴重な図書になりました。念願のこの記念事業を立派に完遂された井上善一前会長のご尽瘁(じんすい)に深甚より敬意を表し、企画・編集を担当された事務局のご労苦に謝意を申し上げます。
 9月には、第8期の日伯交換研修生3名をブラジルへ派遣致しました。研修生はブラジルで暮らす県人の皆様のもとで3週間、移住から1世紀をこえてもなお脈々と継承されている日本人の心を学び、ブラジルの多様な文化と豊かな自然を見聞し、在伯県人と交流を深め、深い感動を胸に無事帰国しました。
 ところで、ご案内の通り本協会は井関初代会長が「世界に向かって心の窓を開こう」と各界に呼びかけ、民間主導の海外協会として誕生して以来、在外県人会のふるさと交流の橋渡しとして活動しております。私はここ数年、ブラジルから里帰りした県人会の皆様と膝を交えてお話しを伺うことが多く、そのとき皆様がかならず口にされる苦言や心配をお伝えします。
 一つは「日本人は外国で、自分の考えを言わない。相手の誤りや間違った考えを正そうとしない。政治家は毅然として言うべきなのに、やはり言わない。若者は日本の歴史や文化に関心を持とうとしない」ということです。いわゆる慰安婦問題をはじめ、占領政策の下で刷り込まれた自虐史観を日本人は自ら正そうとしないし、自分さえよければよい、という自己本位な考えを改めようとしない。悪いことはみんな為政者のせいにし、国家を思う気持ちがはなはだ欠落している、と言われるのです。
 また、祖父母から教わり伝えられた日本人の礼節、質素、謙譲などの美徳は、いま多くの日本人が失ってしまったのではないか、と顔を曇らせるのです。祝日に国旗を掲げようとしないのは、日本人が自分の国への誇りを失ってしまったからではないか、との指摘も受けました。在外県人会の皆様から学ぶことはたくさんあります。白砂青松の自然景観とともに、日本人の美しい徳目は後世にしっかり伝え残していかなければなりません。
 在外県人会の皆様のこころの拠り所として、本協会の役割をさらに大きくしたいと思っております。どうかよろしくお願い申し上げ、末筆ながら皆様のますますの御清栄を祈念致します。

 【写真】愛媛県海外協会の中山紘治郎会長