2015年3月19日木曜日

県海外技術研修員3人が県庁で修了式

ブラジルとアルゼンチンから来ていた愛媛県の2014年度海外技術研修員3人が母県での9カ月間の研修生活を終え、318日、県庁で終了式が行われた。
 南米愛媛県人会の会員の子弟などを対象に1977年度から受け入れており、これまでに計254人が来県した。本年度は3人が昨年624日に来県し、8月下旬まで松山市の県国際交流センターで日本語や日本での生活など基礎研修を受けた後、91日から同市内の研修協力機関で専門分野の実務研修を実施。梶原フェルナンドよしひろさん(31)=ブラジル・サンパウロ=がセーラー広告愛媛本社でグラフィックデザイン、羅・東夏済メイリさん(24)=ブラジル・サンパウロ=がエス・ピー・シーでグラフィックデザイン、仲地マリア・フロレンシアさん(27)=アルゼンチン・ブエノスアイレス=が新企画設計で建築・設計を学んだ。
 修了式では、中村時広知事が3人に終了証書を授与し、記念品の今治タオルを贈呈。「帰国後は、それぞれの国で愛媛県人会の活動にも取り組み、これからの人生に研修成果を生かしてほしい」と激励した。
 これに対し、3人はそれぞれの研修生活や抱負などを日本語で報告した。梶原さんは「光陰矢の如し、9カ月はアッという間だったが、いろいろなデザインを学べた。昨年8月にはルーツの明浜町へ行き、先祖の墓参りができ、胸がいっぱいになった。丁度その時、雨が降って来た。まるで祖母たちの嬉し涙のように思えた。ブラジルへ帰ったら、愛媛の親善大使としてしまなみ海道の素晴らしさもみんなに伝えたい。これからも一期一会を大切にしたい」と振り返り、「自分のルーツと愛媛県について知ろう」と在伯愛媛県人会員らに呼び掛ける自作のポスターを中村知事にプレゼントした。
 羅東さんは「最初は日本の会社のシステムに慣れておらず、戸惑いもあったが、会社の皆さんにいろいろなことを教えていただいた。とても優しく、感謝している。無事に研修が出来たのは、いろいろな方が支えてくださったおかげ」と流ちょうな日本語で感謝。
 仲地さんは「研修先では、皆さんに建築のことを教えていただき、いろいろな現場を見学させてもらった。帰国後は研修経験を生かしたい。私は研修を通じ、自分の夢に一歩近づけた。愛媛県民に心から感謝しています」と述べた。
3人は329日午前、松山空港を出発、帰国する。

【写真】中村時広知事(右)から研修の終了証書を授与されるブラジルとアルゼンチンからの県海外技術研修員3