2013年1月23日水曜日

中南米日系農業者 愛媛での研修に満足

 農産物の加工技術研修などのためブラジル、パラグアイ、ボリビアから来日中の日系農業女性8人は123日、愛媛県内での研修を終え、次の研修先の高知県へ向かった。
 一行は農林水産省の「中南米日系農業者連携交流(ふるさと交流)事業」の一環で来日した愛媛県出身者を含む4964歳の1世と2世で、15日から21日までの日程で来ている。
   愛媛では16日からミカン園や選果場、ジュース加工工場、農産物直販所などを見学したほか、豆腐や漬物、ソーセージの製造や和紙すきなどを体験、JA女性部など農業関係者と意見交換した。

 最終日の23日は、松山市湊町8丁目のJAえひめ中央の農産物直販所「太陽市(おひさまいち)」を訪問。地元でとれた果物・野菜が並ぶ施設を見学した後、女性部(松下律子部長)のメンバーらと意見交換した。
 愛媛での研修を振り返り、小松千恵子さん(60)=パラグアイ=は「行く先々、愛媛の“お母さん”は元気だった。西宇和では女性たちが誇りと自信を持ってミカンづくりに励んでおられたのが印象的だった。漬物などの講習ではレシピも親切に教えていただき、愛媛訪問は大変充実していた」と満足していた。
 久万高原町出身の大泉里美さん(58)=パラグアイ=も「皆さんに親切にしてもらった。豆腐の作り方なども丁寧に教えてもらったので、すぐ活用できる」と感謝。「腸詰めを作る小型機械はパラグアイでは入手が難しいが、日本では簡単に手に入り良かった。農産物の加工は本で読んだり聞いたりするよりも、実際に見て体験して知るのが一番。“百聞は一見にしかず”だった。帰国後も日本と交流したい」と話していた。

【写真】JAえひめ中央の農産物直販所「太陽市」を見学する中南米の日系農業者ら
 

2013年1月18日金曜日

中南米の日系農業者来県 農産加工を研修

 農林水産省の「中南米日系農業者連携交流(ふるさと交流)事業」で農産物加工技術研修などのため来日した中南米3カ国の女性8人が116日、県庁を表敬訪問し、上甲啓二副知事と懇談した。
 一行は愛媛県出身者を含むブラジル、パラグアイ、ボリビアの4964歳の1世と2世。15日から21日までの日程で来日し、愛媛、高知両県で研修する。愛媛には16日から23日まで滞在し、ミカン園や選果場、ジュース加工工場、農産物直産市などを見学するほか、豆腐や乳製品、ソーセージの製造や染め物と和紙すきを体験、JA女性部など農業関係者との意見交換会を予定している。
 愛媛県関係者の梅宮富美ローザさん(49)はブラジル・サンタカタリーナ州でリンゴの栽培と加工に従事。父親が西予市出身、母親が新居浜市出身で、次女の真美クリスさん(21)が昨年10月、愛媛県海外協会主催の第7期ブラジル研修生として来県した。
 久万高原町出身の大泉里美さん(58)5歳の時、一家5人でパラグアイ・ラパスに移住。現在はピラポで大豆と麦を栽培している。
 県庁では、上甲副知事が「愛媛県では農家の所得向上に向け、商品開発や販路拡大の助成・支援を行っている。しっかり加工技術を学び、帰国後に活用してください」と激励。大泉さんは「大豆で味噌をつくっており、日本の食文化を絶やさないように努めている。うどんづくりにも挑戦したい」と語り、ふるさとでの研修と交流に意欲を見せていた。
 
【写真】中南米から来県し、上甲啓二副知事(右)と懇談する日系農業者ら
 

2013年1月8日火曜日

海外協会 2月に4地区会を開催

   愛媛県海外協会は2月、西条、今治、八幡浜、宇和島の4地区で平成24年度の地区会をそれぞれ開催する。
 今年は在伯愛媛県人会の創立60周年に当たり、海外協会は11月、ブラジル・サンパウロで開かれる記念式典へ慶祝訪問団を派遣する。八幡浜市真穴地区から打瀬船(うたせぶね)天神丸が北針(きたばり=羅針盤)を頼りに新天地アメリカを目指し出航して100年になることから、八幡浜市はさまざまな関連行事を計画している。
 そこで、等身大のブラジル日系社会について理解を深めるため尺八演奏家やボランティア経験者から話を聞くほか、八幡浜市の北米やブラジルなど在外県人会・県人との交流への取り組みについて市長から話を聞く機会を設けた。
 各地区会の日程と講師、演題(仮題)は次の通り。いずれも正午から。各地区の会員には事務局からあらためてご案内します。

≪八幡浜地区会≫
【開催日】25日(火曜日)
【会場】八幡浜市船場通379-1、浜味館あたご船場通り店
【講師】八幡浜市長 大城一郎さん
【演題】「2013 八幡浜市の国際交流」
【講師横顔】19653月生まれ。八幡浜市出身。八幡浜高から岡山商科大を卒業し、家業の製材業に従事。青年会議所理事長など歴任。2003年八幡浜市議。市議2期目途中の094月、44歳で市長就任。米国カリフォルニア州やブラジルなど海外移住者を数多く送り出している同市の「北針」100周年への取り組みや、海外に雄飛した先人たちの熱い思いを語る。

≪宇和島地区会≫
【開催日】28日(金曜日)
【会場】宇和島市錦町3-22、宇和島自動車会館
≪西条地区会≫
【開催日】213日(水曜日)
【会場】西条市大町771-1、西条国際ホテル
【講師】尺八演奏家 岳人山さん
【演題】「和楽器とブラジル日系人の大和心」
【講師横顔】195812月生まれ。福井県出身。愛媛大大学院修了。86年都山流尺八全国コンクール金賞、文部大臣賞。2003年ファーストアルバム「風」。08年胡錦濤中国主席の御前演奏担当。12年サンパウロでブラジルよさこいソーラン大会の開幕演奏担当。米国、欧州、中国などを拠点に世界各地で演奏活動と作曲、尺八指導。愛媛大非常勤講師。松山市在住。

≪今治地区会≫
【開催日】215日(金曜日)
【会場】今治市旭町2丁目3-4、今治国際ホテル
【講師】元JICAボランティア 堀本梓織さん
【演題】「ブラジル日系社会に暮らして」
【講師横顔】198411月生まれ。上島町出身。弓削高から就実大を卒業し、ニュージーランドでのワーキングホリデーで日本語指導を経験。松山市で仕事の傍ら、日本語教師の資格を取得。20107月から2年間、国際協力機構(JICA)の日系社会青年ボランティアとしてブラジル・サンパウロ州の日系人集落にある学校で日本語教師として活動。松山市在住。

2013年1月7日月曜日

海外協会 「海外報」270号を発行

   愛媛県海外協会は17日、機関誌「海外報」の第270号=写真=を会員らに発送しました。
   今年は、海外協会が創立30周年を迎える記念すべき年です。今回の号は、第1面で井上善一会長が年頭のあいさつ。海外協会の主要事業である在伯愛媛県人会との交換研修生派遣事業によるブラジル研修生の来県を特集しました。
このほか、11月に創立60周年記念式典を開催する在伯愛媛県人会の井上茂則会長と南加愛媛県人会の大谷喜平会長の相次ぐ来県、県国際交流課係長による在外愛媛県人会訪問記の前編、県高校国際教育生徒研究発表会(海外協会後援)での留学生の発表詳報、在亜(アルゼンチン)愛媛県人会の創立55周年記念行事、パラグアイ在住の県出身者による旅行作品集出版、2月の4地区会の日程紹介など多くの行事や話題があり、ページ数を10ページに増やしました。
在外の皆さんに前々号から送り始めた愛媛の写真(手製絵はがき)は、冬の夜の松山城を同封しました。
 

2013年1月4日金曜日

海外協会 井上善一会長が年頭あいさつ

 2013年の初春、会員の皆さまにおかれましては、お健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。平素より愛媛県海外協会の諸活動に格別のご支援とご協力をいただき、感謝申し上げます。
 1983年に設立された本協会は本年、30周年の記念すべき年を迎えます。初代会長井関昌孝氏は「世界に向かって心の窓を開こう」と呼び掛け、県内の経済界を中心に自治体、各種団体など幅広い賛同を得て設立。国際交流の草分け的存在として、今日までさまざまな活動を展開してきました。
 協会設立後の前半は、中国や東南アジア諸国を対象にアジア経済セミナーの開催、経済視察団の派遣、産業貿易の視察といった活動が大きな柱になっていたように思えます。もちろん、在外愛媛県人会の周年事業への参加等、県人会との交流は設立以来今日まで本協会の重要な活動として継続されていることはご案内の通りです。
 2008年には愛媛県人ブラジル移住100周年・県人会創立55周年記念式典がサンパウロで、2010年には南加県人会創立100周年記念式典が米国ロサンゼルスで開催され、官民挙げて参加し、大きな感動と感銘を受けたことは記憶に新しいところです。それぞれ100年の歴史を経て今なお、ふるさと愛媛に対する思いは世代を超えて「心の絆」として脈々と受け継がれていることに深い感動を覚えると同時に、県人会の心の拠り所として本協会の役割がさらに大きく膨らんでいるような気がします。
 1997年、ブラジル県人会と「交換研修生派遣事業」覚書に調印し、県人会子弟の受け入れ、愛媛の若者の派遣の相互交流を通じてブラジルが遠くて近い国になり、まさしく「海を越えてふるさとの絆」がさらに強く、深く育まれていることを大変うれしく思います。
 しかし一方で、在外県人会の世代交代により、お互いの情報交換や交流が困難になりつつあることも事実で、今後の大きな課題となってきています。
 本年は、ブラジル県人会創立60周年記念式典が1110日にサンパウロで開催されます。昨年10月には井上茂則県人会長(八幡浜市出身)が帰郷され、中村時広知事や岡田志朗県議会議長、松山市長、県市長会長、県町村会長など県内各地を表敬訪問し、記念式典への参加要請をされました。本協会でも協会創立30周年記念事業の一環として慶祝団を編成しての式典参加を計画しています。6月の定期総会終了後、あらためて会員の皆さまにご案内いたしますので、一人でも多くの方々が参加されますよう期待しています。
 30周年の節目の年に当たり、本協会に対し変わらぬご支援とご協力をお願い申し上げ、年頭のご挨拶といたします。

【写真】創立30周年を迎える愛媛県海外協会の井上善一会長