2015年1月9日金曜日

海外協会 2月に4地区会を開催

 愛媛県海外協会は2月、西条、今治、八幡浜、宇和島の4地区で年度末恒例事業の地区会をそれぞれ開く。19日までに、各地区の会員に案内文を発送した。
 今年は戦後70年。四半世紀以上に及ぶ苦難の末、平和のシンボルとしてサクラの新品種「陽光」を誕生させた東温市の故高岡正明さんをモデルにした映画「陽光桜」(高橋玄監督)が製作されることになり、3月から県内で撮影が始まる。今夏に全国公開し、国際映画祭にも出品される予定。そこで西条地区会と今治地区会では、プロデューサーの金子明さん(松山市出身)に講師をお願いし、愛媛から世界に発信する感動秘話の映画化について話を聞くことにした。
 八幡浜地区会と宇和島地区会は、近年世界の注目を集めている南米、特に2年後の2017年に愛媛県人会が創立60周年を迎えるアルゼンチンに着目。同国への理解を深めようと、長年旅行会社に勤務し、スペイン語にも堪能で、JICAシニア海外ボランティア(職種・観光業)として1年前まで同国に赴任経験がある川口眞治さん(松山市在住)からアルゼンチンの観光の現状や日系社会について話を聞くことにした。
 各地区会の開催日と会場、演題などは次の通り。開会時間はいずれも正午から。

≪今治地区会≫
【開催日】25日(木曜日)
【会場】今治国際ホテル(今治市旭町2丁目3-4
≪西条地区会≫
【開催日】26日(金曜日)
【会場】リーガロイヤルホテル新居浜(新居浜市前田町6-9
【講師】プロデューサー 金子明さん
【演題】映画「陽光桜」は世界を目指す
【講師横顔】かねこ・あきら 19585月松山市生まれ。愛光高校、愛媛大学を卒業後、オーストラリアに留学。独立映画プロダクション幻燈社で映画製作を学び、国際配給映画「ロビンソンの庭」(1987年、山本政志監督)の製作デスクを経て、映画、TBS、NHKの番組を手掛ける。1992年高橋玄監督の劇場映画デビュー作「心臓抜き」を製作、プロデュース。現在、NHK教育番組を中心に多数のテレビ番組、ラジオ番組、ドキュメンタリーのプロデューサー、ディレクターを務める。

≪八幡浜地区会≫
【開催日】210日(火曜日)
【会場】浜味館あたご船場通り店(八幡浜市船場通379-1
≪宇和島地区会≫
【開催日】217日(火曜日)
【会場】宇和島自動車会館(宇和島市錦町3-22
【講師】元JICAシニア海外ボランティア 川口眞治さん
【演題】素顔のアルゼンチン~日系社会と観光
【講師横顔】かわぐち・しんじ 194712月松山市生まれ。新田高校、神奈川大学外国語学部スペイン語学科を卒業。東京と松山市の旅行会社に約35年間勤務。退職後の20083月から2年間、JICAシニア海外ボランティア(職種・観光業)として中米のグアテマラでコミュニティーツアーを改善指導。20131月から1年間、アルゼンチンでエコツーリズムの開発・指導に従事。現在はボランティアの愛媛SGGクラブ(善意通訳クラブ)と趣味(テニス、料理、スペイン語)の毎日。

2015年1月5日月曜日

海外協会 「海外報」278号を発行

 愛媛県海外協会は15日、機関誌「海外報」の第278号=写真=を会員らに発送しました。
 今回の号(8ページ)は、中山紘治郎会長の年頭あいさつをはじめ、海外協会の主要事業である在伯愛媛県人会との日伯交換研修生派遣事業による第8期ブラジル派遣研修生の帰国報告、愛媛県職員による南加愛媛県人会訪問記、西村定栄在伯愛媛県人会長が創立60周年記念式典慶祝訪問団への答礼で来県した話題などを掲載しました。
 在外の皆さんに送っている愛媛の写真(手製絵はがき)は昨年1016日に繰り広げられた西条祭りのクライマックス、加茂川での「川入り」を同封しました。

海外協会 中山紘治郎会長が年頭あいさつ

 明けましておめでとうございます。会員の皆様におかれましてはお健やかに新春をお迎えのこととお喜び申し上げます。平素より本協会の活動に一方ならぬご理解とご協力を賜り衷心より御礼申し上げます。
 さて、昨年は本協会設立30周年記念事業の大きな柱でありました記念誌「海を越えて ふるさとの絆」を3月に発刊し、会員と県内の図書館等の公共施設に贈呈致しました。記念誌には井関昌孝初代会長はもとより、30年にわたる関係者各位の本協会に寄せる熱い思いが収載されており、編年体でまとめられた活動記録と併せて誠に貴重な図書になりました。念願のこの記念事業を立派に完遂された井上善一前会長のご尽瘁(じんすい)に深甚より敬意を表し、企画・編集を担当された事務局のご労苦に謝意を申し上げます。
 9月には、第8期の日伯交換研修生3名をブラジルへ派遣致しました。研修生はブラジルで暮らす県人の皆様のもとで3週間、移住から1世紀をこえてもなお脈々と継承されている日本人の心を学び、ブラジルの多様な文化と豊かな自然を見聞し、在伯県人と交流を深め、深い感動を胸に無事帰国しました。
 ところで、ご案内の通り本協会は井関初代会長が「世界に向かって心の窓を開こう」と各界に呼びかけ、民間主導の海外協会として誕生して以来、在外県人会のふるさと交流の橋渡しとして活動しております。私はここ数年、ブラジルから里帰りした県人会の皆様と膝を交えてお話しを伺うことが多く、そのとき皆様がかならず口にされる苦言や心配をお伝えします。
 一つは「日本人は外国で、自分の考えを言わない。相手の誤りや間違った考えを正そうとしない。政治家は毅然として言うべきなのに、やはり言わない。若者は日本の歴史や文化に関心を持とうとしない」ということです。いわゆる慰安婦問題をはじめ、占領政策の下で刷り込まれた自虐史観を日本人は自ら正そうとしないし、自分さえよければよい、という自己本位な考えを改めようとしない。悪いことはみんな為政者のせいにし、国家を思う気持ちがはなはだ欠落している、と言われるのです。
 また、祖父母から教わり伝えられた日本人の礼節、質素、謙譲などの美徳は、いま多くの日本人が失ってしまったのではないか、と顔を曇らせるのです。祝日に国旗を掲げようとしないのは、日本人が自分の国への誇りを失ってしまったからではないか、との指摘も受けました。在外県人会の皆様から学ぶことはたくさんあります。白砂青松の自然景観とともに、日本人の美しい徳目は後世にしっかり伝え残していかなければなりません。
 在外県人会の皆様のこころの拠り所として、本協会の役割をさらに大きくしたいと思っております。どうかよろしくお願い申し上げ、末筆ながら皆様のますますの御清栄を祈念致します。

 【写真】愛媛県海外協会の中山紘治郎会長