協会設立後の前半は、中国や東南アジア諸国を対象にアジア経済セミナーの開催、経済視察団の派遣、産業貿易の視察といった活動が大きな柱になっていたように思えます。もちろん、在外愛媛県人会の周年事業への参加等、県人会との交流は設立以来今日まで本協会の重要な活動として継続されていることはご案内の通りです。
2008年には愛媛県人ブラジル移住100周年・県人会創立55周年記念式典がサンパウロで、2010年には南加県人会創立100周年記念式典が米国ロサンゼルスで開催され、官民挙げて参加し、大きな感動と感銘を受けたことは記憶に新しいところです。それぞれ100年の歴史を経て今なお、ふるさと愛媛に対する思いは世代を超えて「心の絆」として脈々と受け継がれていることに深い感動を覚えると同時に、県人会の心の拠り所として本協会の役割がさらに大きく膨らんでいるような気がします。
1997年、ブラジル県人会と「交換研修生派遣事業」覚書に調印し、県人会子弟の受け入れ、愛媛の若者の派遣の相互交流を通じてブラジルが遠くて近い国になり、まさしく「海を越えてふるさとの絆」がさらに強く、深く育まれていることを大変うれしく思います。
しかし一方で、在外県人会の世代交代により、お互いの情報交換や交流が困難になりつつあることも事実で、今後の大きな課題となってきています。
本年は、ブラジル県人会創立60周年記念式典が11月10日にサンパウロで開催されます。昨年10月には井上茂則県人会長(八幡浜市出身)が帰郷され、中村時広知事や岡田志朗県議会議長、松山市長、県市長会長、県町村会長など県内各地を表敬訪問し、記念式典への参加要請をされました。本協会でも協会創立30周年記念事業の一環として慶祝団を編成しての式典参加を計画しています。6月の定期総会終了後、あらためて会員の皆さまにご案内いたしますので、一人でも多くの方々が参加されますよう期待しています。
30周年の節目の年に当たり、本協会に対し変わらぬご支援とご協力をお願い申し上げ、年頭のご挨拶といたします。
【写真】創立30周年を迎える愛媛県海外協会の井上善一会長