今治西高出身で大学時代から移民史の研究を続け、明治・大正時代の八幡浜地方からの密航などをテーマに「アメリカの風が吹いた村」(愛媛県文化振興財団)を出版した敬愛大学国際学部教授の村川庸子さんから協会事務局に1通の手紙が届いた。
内容は、国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)で3月16日から開催される展示会「アメリカへ渡った人々と戦争の時代」の案内だった。この展示会は、企画から資料収集、パネルの製作まで村川さんが担当。戦前のコーナーでは八幡浜地方の移民や密航史を大きくクローズアップするとともに、県人が多く集住していたシアトルやタコマでの生活ぶりにもスポットを当てているという。
また、3月20日午後1時からは米国の研究者2人を招いてのシンポジウム「アメリカ移民の過去・現在・未来」も開催。移民にかかわる多面的な論議を通じて、アメリカ社会のみならず、人類社会が抱えてきた普遍的な問題(戦争や差別など)を見つめなおすことにしている。
コーディネーターも務める村川さんは「この夏、南加愛媛県人会の100周年で、県民の訪問団が計画されていると聞きました。記念の年にこのような展示会が開催されるのも何かの縁でしょうか。関心のある方は、ぜひいらっしゃってください」としたためていた。同展は2011年4月3日まで。