2012年7月27日金曜日

JICAボランティアが活動成果を帰国報告

 県青年海外協力隊を育てる会(関啓三会長)の平成24年度通常総会が7月20日、松山市のホテルで開かれ、恒例のJICA(国際協力機構)ボランティアの帰国隊員トークショーがあった。パラグアイ、エルサルバドル、ブラジルで2年間、青年海外協力隊や日系社会青年ボランティアとして活動した3人が任地での苦労や活動成果、喜びなどを報告した。
 トークショーは宇都宮民アナウンサーの司会で進行。日系日本語教師としてブラジルに派遣された堀本梓織さん(27)=上島町=は、日系人約60家族が暮らすコロニア(集落)にある日本語学校で3~15歳の子どもに日本語や日本文化などを教えた。
 日本人ブラジル移住100周年を過ぎ、日系社会でも日本語や日本文化が薄れつつあることを危ぐした堀本さんは、日本文化を継承してほしいと五月人形を贈ることを思い立ち、愛媛の「育てる会」に支援を要請した。育てる会は人形の収集や輸送の方法、費用などさまざまな難題に直面。堀本さんの計画は一時、頓挫しかけたが、人形は無事届けられ、今年5月の節句で披露できた。任地の人々は、1世でも幼少期に移住した人は全く日本文化に触れておらず、99歳の最高齢者をはじめ、子どもから大人までが五月人形をまじまじと見詰め、大喜びした。
 堀本さんは育てる会に感謝し、語った。「1、2世の方たちは、私が居るだけで『日本人が来た』『日本語をしゃべる人がいる』と喜んでくれた。行って良かったと心から思った。これからは海の向こうで苦労されている日本人がいることを伝えないといけない。ブラジルと日本の友好の懸け橋になりたい」

【写真】中南米で活動したJICAボランティア3人が活動成果を披露した帰国隊員トークショー