3人は6月24日に来県し、7月1日から同センターで基礎研修。国際交流ボランティア団体「えひめJASL」の日本語教師の指導で日本語や日本での生活について学んできた。
教師や県国際交流課、県国際交流協会の関係者ら20数人を前に、仲地マリア・フロレンシアさん(26)=アルゼンチン=と梶原フェルナンドよしひろさん(31)=ブラジル=は互いに質問をし合いながら写真を使って発表した。
大学で建築を学んだ仲地さんは、大聖堂や国会議事堂などアルゼンチンの建築物を紹介。「アルゼンチンには世界の建築様式が集まっている反面、独自の様式はない。愛媛では日本の建築についても学び、将来はアルゼンチンに日本様式の建築を建てたい」と希望を語った。
ユーモアに富む梶原さんは、東洋人街があり、日本人になじみ深いサンパウロ市のリベルダーデ地区を紹介。日本の食品や和菓子などを扱う商店のにぎわいや、七夕祭り、旧正月といったさまざまな祭り行事、在伯愛媛県人会の活動拠点・県人会交流センターなどについて説明した。
子供のころから日本語を学んでおり、上位クラスで学習した東・羅メイリ夏済さん(23)=ブラジル=は、母方の曽祖父母が大洲市出身の日系4世。87年前、ブラジルへ移住した曽祖父が礎を築き、祖父や母親が生まれ育ったサンパウロ州の田舎町・バストスについてクイズを交えながら説明した。
バストスはサンパウロ市から車で約6時間、人口約2万人。養鶏と鶏卵生産が盛んで、祖父も養鶏農場を経営していた。サンパウロ市で育った東さんは子供のころ、祖父方へよく遊びに行き、楽しい思い出がいっぱい。東さんは「バストスには都会では味わえない人との触れ合いがあり、自分には今も大切な町。家族の絆を大切にしたい」と上手な日本語で締めくくった。
県担当者らが講評の後、日本語教師らが研修員3人に真珠の修了記念品を贈呈。3人を代表して東さんが「発表は緊張したが、無事に終えられてホッとしています。豪華なプレゼントをありがとうございました」と謝辞を述べた。
3人はひとまず県主催の日本語研修を修了。8月18日から29日まで、同センターが開催する日本語グループ学習夏季集中講座を受講。9月1日から来年3月中旬まで、松山市内の研修協力機関で仲地さんが建築・設計、梶原さんと東さんがグラフィックデザインの実務研修に取り組む。
【写真】㊤県国際交流センターであった県海外技術研修員の日本語学習成果発表会㊦日本語教師から真珠の修了記念品を贈られ、大喜びの3研修員(奥)