南米愛媛県人会の会員の子弟などを対象に1977年度から実施しており、これまでに計251人が来県した。本年度は3人が昨年6月下旬に来県し、8月末まで松山市の県国際交流センターで日本語や日本での生活など基礎研修を受けた後、松山市内の研修協力機関で専門分野の実務研修を実施。小竹ファビオ直樹さん(26)=ブラジル=が河原学園でウェブデザイン、三浦イゴールひろしさん(28)=同=が三浦工業で機械生産、新門バレンティン堅さん(24)=アルゼンチン=が愛媛FCでマーケティングを学んだ。
修了式では、中村時広知事が3人に終了証書を授与し、記念品の今治タオルを贈呈。「愛媛での貴重な経験をそれぞれの国で大いに生かしてほしい。帰国後は愛媛県人会に参加し、次に続く後輩たちの良きアドバイサーになってほしい」と激励した。
これに対し、研修員3人はそれぞれの研修成果などを日本語で報告した。小竹さんは「研修は充実しており、私の新しいスキルになった。しまなみ海道には感動した。自分はこれまでも日系人だと思ってはいたが、愛媛出身の日系人であることを実感した」と幾つもの感動を披歴。三浦さんは「帰国後は研修成果を生かしたい。日本語も勉強でき、本当にありがとうございました」と感謝。新門さんは「私にとって愛媛は特別な場所になった。帰国後は日本とアルゼンチンの関係強化に役立てるよう頑張りたい」と意気込みを述べた。
3人は29日午前、松山空港を出発、帰国する。
【写真】中村時広知事(右)から終了証書を授与されるブラジルとアルゼンチンからの県海外技術研修員3人