フジ子さんは宇和島市三間町出身。同市吉田町出身の薬師寺茂雄さんと結婚し、1955年5月、夫婦と1男2女の一家5人で渡伯した。
薬師寺さん夫婦はサンパウロ州アチバイア市で長男一家と同居し、養蜂と花の栽培、プロポリスの生産に従事してきた。今年5月13日、茂雄さんは突然、体調不良を訴え、病院に運ばれたが、翌14日、心不全で死去した。93歳だった。
茂雄さんの死後、気落ちしたフジ子さんを心配した子どもたちが「日本のきょうだいらと会って話せば、元気が出るのではないか」と一時帰郷を計画。アチバイア市に住む弥須子さんが付き添って帰国した。
フジ子さんは宇和島市や高知県のきょうだい方などを訪問し、10月11日に離日予定。「11月10日にサンパウロ市で開かれる在伯愛媛県人会創立60周年記念式典には出席するつもり。式典で会いましょう」と笑顔で語ってくれた。
【写真】海外協会事務局を訪れた薬師寺フジ子さん(左)と堀江弥須子さん母娘