愛媛県国際交流協会が主催する「えひめ海外移住者交流促進事業」で、ペルー愛媛県人会会長の吉岡ファン・カルロスさん(54)が3月16日、夫人のルース・エリザベスさん(52)を伴って初来日し、愛媛を訪れた。愛媛県海外協会は国際交流協会に協力して17、18日の両日、吉岡さん夫妻を県内の観光地めぐりに案内した。
同事業は愛媛県出身の海外移住者とその親族の里帰りを支援するもので、国際交流協会が渡航費と約1週間の県内滞在費を支援。2001年度にブラジルから1人、08年度にアルゼンチンから3人、09年度にブラジルから3人、11年度にパラグアイから3人を受け入れている。
吉岡さんは、父方の曽祖父と祖父が松山市出身で、3世。首都リマ在住の実業家で、13年2月からペルー愛媛県人会の会長を務めている。長男のファン・アレハンドロさん(30)は12年度に県海外技術研修員として来県し、9カ月間、水産加工管理と食品加工・分析を学んだ。
海外協会の案内で、吉岡さん夫妻は17日、今治市の瀬戸内しまなみ海道と松山市の四国霊場51番札所石手寺を訪ねた。今治市では来島海峡急流観潮船を体験、糸山公園から来島海峡大橋の迫力と多島美を堪能した。18日には松山市内を観光し、松山城と道後温泉を訪問。夫妻は「天守閣など日本の城は非常に美しい」と感心。道後温泉本館では皇室専用の「又新殿」を興味深げに見学していた。
母県に滞在中、夫妻は親戚の案内で先祖の墓参りをしたほか、県庁を訪問し、上甲俊史副知事と面談した。
吉岡さんは「自分は3世だが、ペルーに移住した先人たちがいろいろな苦労を乗り越えてきたことを愛媛の皆さんにもご理解いただけるとありがたい。愛媛滞在中は、皆さんに大変お世話になった」と感謝していた。
春の伊予路を楽しんだ吉岡さん夫妻は21日朝、広島へ移動。京都や東京を観光し、29日に離日する。
【写真】㊤来島海峡急流観潮船を楽しむ吉岡さん夫妻㊦道後温泉本館で「坊っちゃんの間」を見学する吉岡さん夫妻